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やまぐち徒然日記①「ロバの本屋」
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この世に生を受けてから１８年暮らし、高校を卒業して１２年間離れていた故郷・山口に再び戻ってから、早いもので１０年の歳月が経とうとしています。
高校までの自分を振り返ってみても、行動範囲も視野も狭かった自分が故郷・山口の名所に何の感慨も持たずただ田舎を出たいと願っていた事しか思い出せません。故郷を離れある程度歳を重ねて戻った山口の景色は、１８歳だった自分とは違う視点で見直す事が出来ると思う…そんなオッサンの視点で、山口の面白い店やモノを綴っていきたい…というブログです。時間に余裕がある時にでも読んでいただければ幸いです。
山奥にひっそりと在る不思議なお店
記念すべき第１回は、俵山温泉郷の近くにある「ロバの本屋」さん。
俵山温泉郷は長門市の湯本温泉よりさらに奥に入った山間の温泉郷で、ロバの本屋さんはその俵山温泉より少し山奥にあるパッと見普通の古民家にしか見えない古書店です。携帯の電波も届かない山奥で、カーナビ無しではちょっと難しい場所にお店を構えていらっしゃいますが、一歩お店に入ると苦労して辿り着く価値のあるステキなお店だと分かってもらえると思います。
田舎暮らしをしようと俵山に移り住んだオーナーさんが、古い牛舎だった建物を改築して作ったお店にはいちいちオシャレな古い家具がさり気なく配置してあり、数は多くありませんが雑貨好きのハートを鷲掴みにする輸入小物なんかも(やっぱりさり気なく)売ってたりします。なんと言っても書棚の本のジャンルが面白くて、本好きなオーナーさんが純粋に趣味で集めた蔵書棚を眺めているような、そんな面白くて古い本が並んでますし、
半分くらいある新書も町の書店では中々出会わない少部数の本や自費出版の写真集なんかも並んでいて、一応本好きの私としては何時間でも居座れる居心地の良いお店です。
何より嬉しいのがオーナーさんの心遣いで、書棚の前には椅子(この椅子がまた小学校の教室にあるような小さな椅子でオシャレ！)が置いてあり、ゆっくり読んで行ってくださいと言っていただいているようで、本好きとしては本当にありがたいです。
本を読みながらコーヒーも!
ロバの本屋さんはカフェとしても運営されていて、軽い食事やオーナーさんこだわりのコーヒーをいただけます。
何より嬉しいのが本を読みながらコーヒーを飲めるという、本とコーヒー好きの私にはこの上ないシュチュエーションが許されており、訪れた私たちに「まあ、ゆっくりしていって」と言ってくれてるような、そんなオーナーさんの優しい気持ちを肌で感じる思いがしました。
伺った日は山の木々も色付き始める頃で山間のお店の中は少し寒かったですが、私が座った椅子の側で薪ストーブに火が入っていたので心地良くゆったりとした時間を過ごす事が出来ました。このお店全体がさり気なく、それでいてゆったりと落ち着ける、オーナーさん自身の人柄を表すような好感の持てるお店です。決して大きな声を出さず、静かに優しく語るオーナーさんとお話をしていると、会話する私が自然と癒されていくような不思議な感覚になります。
書棚の前で座って本を読んでいる時も静かに事務仕事をされ、私が話しかけるまでは存在感を消している(？)物静かなオーナーさんは、とってもキュートな女性で「店は人を現わす」モノだな〜とつくづく感じます。辿り着くのに少々苦労するかもしれませんが、俵山温泉郷にお越しの際には、否、俵山温泉郷が目的でなくても、本とコーヒー好きには一度訪れて欲しいステキなお店です。
